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■保険システムよもやまばなし 

第23回: 「代理店経営とITガバナンス(5)」

 先月来の台風襲来に続き、その後の首里城炎上等大きな災害が立て続けに起き、大変な時代になってきたなと思いましたが、一方で、即位祝賀パレード、「祝賀御列の儀」に明るい未来を感じ少しホッとしました。しかしながら、現実に目を向けると、台風15号、19号の保険金支払総額は2兆円近くになりそうとのこと。昨年に引き続き相当額の保険金支払いになっています。昨今の異常気象に対して自然の脅威を改めて認識すると共に、損害保険会社経営に少なからず影響を与えるとも思われ、各社の経営差配ぶりにしばし注目していきたいと思っています。

 さて、「代理店経営とITガバナンス」、これまで「ITガバナンス」とは、企業・組織がビジネス(経営)戦略実現に向けて、「ITリスク」を適切にコントロールし、限られているIT資源を有効かつ効率的に活用するための仕組みと言うことで、経営者視点で、「システムを知る」、「リスクを知る」、「リスクをコントロールする」と話を進めてきました。今回は、限られたIT資源をビジネス戦略実現に向けて如何に活用して行くか、そして、これまでのリスク管理を含めたITガバナンスの実装に向けた体制、運用についてお伝えしていきます。

■ビジネス戦略実現に向けた限られたIT資源の活用
IT資源については、お金と人、そして時間が想定されます。いずれも限られた資源であり、その量は各社によって異なります。「システムを知る」局面で要員・体制やコストの把握をされていると思いますので、それを踏まえ、時間軸など考慮しながら、自社におけるIT資源を想定・把握します。そして、各社のビジネスの実態・実状等を踏まえて、限られたIT資源がビジネス戦略実現に向けて十分活用されているか、確認・評価を行なっておくことが重要です。
果たして、ここまで資源を投入しておく意味があるのかとか、ITによる成果を期待すべく、さらに資源投入を行なうべきとか経営者として考える!そう言った時間が必要だと思います。また、タイミングによっては、新たな資源投資の決断を行う必要に迫られることもあろうかと思います。ITに係る投資は大きくなる傾向があり、一方で効果が見えにくいケースが多くなってきています。
また、その決断が経営に大きな影響を及ぼすケースも少なくありません。ビジネス目的は明確なのか、妥当性や実現性はあるのか等々十分考慮し、経営責任をしっかり全うする気概を持って対応して頂くことを祈ります。大切なことは普段からしっかりと課題認識を有し考えているかにかかっていると思います。
くれぐれも、思い付きのような、勢いに乗ったような決断はしないという気持ちで臨んで頂ければと思います。一方で、リスクを恐れるあまりの決断しないとか、極めて保守的な決断にもならないようにすることも大切だと思います。
経営者としての存在意義の発揮どころ!将来に対する責任も十分熟慮した上で賢明な決断をして頂くことを期待します。

■ITガバナンス実装に向けた体制・運用
「ITガバナンス体制」と改めて言うと、専任のメンバー、専任の組織のイメージを持たれるかもしれませんが、大手金融機関はともかく、通常の企業で、この分野に専任要員・組織を有することは一般的では無いと思います。
ポイントは、これまで述べてきたように、「システムを知る」、「リスクを知る」、「リスクをコントロールする」を意識した業務運営を行っていくことがITガバナンス実装と言うことになろうかと思います。システムのことは全く分からない、上手くいっていて当たり前という気持ちは、まず切り捨てる必要があります。経営者としてシステムを意識すること、真正面から立ち向かうことが重要です。真正面から立ち向かう!なかなか覚悟が必要な書き方をしてしまいましたが、日々のシステムに係る業務内容はともかく、最近のIT動向や自社における課題認識などフト考える時間を持つことから始められることでいいのではと思います。次回以降、最近のIT動向、特に保険・代理店に係るIT動向について話を進めて行きたいと思います。

K System Planning
島田洋之