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保険の虫眼鏡(第10回)

 

改正保険業法を踏まえて、現在代理店が対応すべきミニマム基準

 

 8月24日、大阪梅田にある「あいおいニッセイ同和フェニックスタワー」において大阪代協主催で「代理店の現在と未来」と題するパネルディスカッションが開催され、200人を超える多くの参加者が集まった。パネラーは、評論家の中崎章夫氏、代理店を代表して木下幸太郎氏(株式会社綜合保険センター代表取締役)、そして栗山が務め、コーディネーターとして大阪代協常務理事・事務局長の中野信雄氏が司会進行を行った。

 いくつかのテーマが用意されたが、その一つが「改正保険業法を踏まえて、現在代理店が対応すべきミニマム基準」であった。5月29日付で、ついに改正法が施行され、ほとんどの代理店が既に一応の対応を終えているといってよいだろう。実際のところ、保険会社は、代理店が備えるべき規定やマニュアルのひな形を用意するなど、対応不可の代理店が出ないよう必死に努力してきた。改正法の下でも引き続き保険会社による代理店への監督は残っていること、中でも専属代理店と乗合代理店のうち比較推奨販売を行わないものについては、「従来型の保険募集人」として事実上、保険会社がほとんどの責任を負うことになるから、必死の努力は、保険会社にとって当然の行動といったところなのであろう。

しかし、その一方で、代理店の方がそれをどう受け止めているかを考えた場合、多くのところで「お寒い状態」なのではないだろうか。「取りあえず、規定やマニュアルは備えたが・・・」とか、「法が施行されたけれど何も起こっていない。大したことはないだろう」というような代理店が数多く存在する。これは、とんでもない思い違いである。法は既に変わった。代理店は新しい法に即して行動することが要求される。そして、金融庁は、既に動いている。

 

 「改正保険業法を踏まえて、現在代理店が対応すべきミニマム基準」という観点で、金融庁の動きをみてみよう。第一に上げるべきは、昨年6月30日に公表され、ほぼ一年を経て今年の改正法施行とともに適用されることになった「保険検査マニュアル」の改定版である。

 何よりも大きな変化は、従来の「保険会社における保険募集管理態勢」が「保険会社及び保険募集人における保険募集管理態勢」と改定されている点である。まさに、代理店が保険検査マニュアル上の検査の対象として取り扱われている。

 中でも、「適正な募集管理」において「特に、乗換契約(他社からの乗換契約を含む)・転換契約、キャンペーン、高齢者に対する募集など、通常の募集以上に注意を要する募集について、適切な募集が行われるための態勢が整備されているか。」という文章が追加されている点が印象的である。

代理店としては、ここに記されたことにしっかりと対応できているのだろうか、しっかりと対応するためには何が必要なのか、こうした問題意識を持って、このマニュアルが適用された5月29日を迎えただろうか。この短い文章だけでも、代理店は多くのことを要求されており、まずはそこから始めることが必要である。次回以降、「改正保険業法を踏まえて、現在代理店が対応すべきミニマム基準」という観点でポイントを順次まとめてみたい。

 

日本損害保険代理業協会アドバイザー

栗山 泰史