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保険の虫眼鏡(第55回)

 

デジタル革命の下で何が生じるか

 

前回、InsurTechの名の下に生じている保険における動きは横において、そもそもデジタル化の下で何が起こっているのか、そして、それが保険代理店にどのような影響を及ぼすのかについて、次回以降、論を進めると述べた。

まず認識しなければならないことは、保険がどう変化するかよりも、世の中がどう変わり、消費者の行動やマインドがどう変化するかである。この点を整理するために、今一度、内閣府のHP(https://www.cao.go.jp/)をみてみよう。ここでは、概略、以下のように述べている。

 

まずは、「IoT」および「ビッグデータ」である。工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報がデータ化され、それらをネットワークでつなげてまとめ、これを解析・利用する。そこに登場するのがAIである。コンピューター自らが学習し、一定の判断を行うことが可能となり、人では不可能であったビッグデータを分析し、これまでとは全く異なる新たな付加価値を生み出す。

この結果、次の4つの変化が生じるとされる。

第一は、財やサービスの生産・提供に際して、データの分析結果を様々な形で活用する動きである。具体的には、ネット上での顧客の注文に合わせたカスタマイズ商品の提供、ウェアラブル機器による健康管理、医療分野でのオーダーメイド治療、保安会社による独居老人の見守りサービスの提供などである。

第二は、シェアリング・エコノミーである。これは、インターネットを通じて、サービスの利用者と提供者を素早くマッチングさせることにより実現する。具体的には、「民泊サービス」のAirBnBや、一般のドライバーの自家用車をタクシーのように活用するUberが典型的な例である。

第三は、AIやロボットの活用である。具体的には、AIを活用した資産運用、介護などでのロボットによる補助の活用等の事例がある。

第四は、FinTechの発展である。これにはInsurTechも含まれる。

 

こうした事実は、既に様々な形で喧伝されている。そして、既に人はこれらを体験し、体感し始めている。このスピードは、指数関数的なものになるであろう。こうした大きな変化は、保険代理店が担う保険募集・販売にどのような影響を及ぼすのだろうか。それをみるためには、まずは、保険事業全体への影響をみることが必要なるのである。

(参考)内閣府「経済財政白書」より抜粋

 

日本損害保険代理業協会アドバイザー

アイエスネットワーク シニアフェロー

栗山 泰史