保険システムよもやまばなし(第71回)
DX銘柄2024選定

最新のIT技術動向と保険業界への影響についてお伝えする「保険システムよも
やまばなし」です。今回は、5月末に選定・発表された「DX銘柄2024」につい
てお伝えします。

■「DX銘柄2024」選定
2024年5月27日、経済産業省は東京証券取引所、情報処理推進機構(IPA)と共
同で「デジタルトランスフォーメーション銘柄」(DX銘柄)を選定、発表しま
した。
・DXグランプリ企業2024  : LIXIL、三菱重工業、アシックス
・DXプラチナ企業2024-2026: 日立製作所、トプコン

■「DX銘柄」とは
「DX銘柄」とは、経済産業省、東京証券取引所および独立行政法人情報処理推
進機構が共同で、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向
上につながるDXに取り組み、実績を上げている企業を選定・公表しているもの
です。要するに、日本国内でのDXへの先進的取り組みを評価された企業です。

DX銘柄に選定された企業は、単に優れた情報システムの導入やデータ活用にと
どまらず、「デジタル技術を前提としたビジネスモデルと経営の変革にチャレ
ンジし続けている企業」とされています。

DX銘柄の中でも、特にデジタル時代を先導する企業を「DXグランプリ」、3年
連続でDX銘柄に選定され、過去にDXグランプリに選定されているなど、特に傑
出した取り組みを継続している企業を「DXプラチナ企業2024-2026」として選
定します。また、DX銘柄に選定されなかったものの、特に企業価値の向上に注
目する取り組みを行っている企業を「DX注目企業」として選定しています。

■評価ポイント
評価は二段階で行われ、まず各企業のビジョン、戦略、成果、ガバナンスシス
テムなどが評価されます。その上で、企業価値貢献、DX実現能力、ステークホ
ルダーへの開示といった点について二次評価が行われます。評価項目や基準が
明確に設定・開示されている点は特筆すべき事項です。

■損害保険会社選定されず
今回の「DX銘柄2024」には、損害保険会社の名前がありませんでした。これは、
2020年に「DX銘柄」選定制度が始まって以来、初めてのことです。昨今、損害
保険業界においていろいろなことが生じており、その影響が反映されているの
かもしれませんが、やや寂しい感じもします。また、損害保険業界がDXから取
り残されているのではないかという懸念も感じてしまいます。

そんな中、次のようなニュースがありました。
・東京海上日動:オンラインで企業保険を販売
 見積もりから加入手続きまでオンライン上で完結
 スタートアップや個人事業主向け企業保険でオンライン販路を開拓
・東京海上日動:住まいの防災・減災情報の提供開始
 事故の回避や被害軽減に繋がる契約者向けプッシュ型情報配信サービス
・三井住友海上:事故対応に生成AI文章要約技術導入
 業務プロセスの変革を通じて生産性向上と新たな価値提供を実現

損害保険業界全体でDXの波に乗り、さらなる発展を遂げることを期待していま
す。

K System Planning
島田洋之